「プロの試合やレッスン動画を見ても、グリップの違いがよく分からない」
「力強く打てているつもりなのに、ボールがアウトばかり…」
そんな悩みを抱えている初心者の方、多いのではないでしょうか?
もしかしたらフォアハンドグリップの握り方に原因があるかもしれません。
テニスでは、ラケットの握り方ひとつでショットの安定感もスピードも変わってしまいます。
特に「フォアハンド」はラリーの中心となる基本ショットなので、正しいグリップを覚えることがテニス上達の第一歩です。
この記事では、フォアハンドのグリップの基本から、握り方の種類や選び方、初心者が陥りやすい失敗ポイントまで、わかりやすく丁寧に解説します。
テニスラケットの持ち方を変えるだけで、あなたのショットが劇的に安定するかもしれません。
この記事でわかること:
- フォアハンドのグリップの特徴がわかる
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自分に合った最適なフォアハンドグリップが分かる
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ショットの安定感とスピードがアップする
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スピンのかけ方や打点が自然と改善される
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ラリー中のミスが減り、試合を楽しめるようになる
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他のショット(バックハンドやボレー)にも応用が効く知識が身につく
もしグリップを知らないまま練習を続けると…
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フォアハンドが安定せず、自信を失う
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ラケット面が合わず、スライスや変な回転がかかってしまう
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怪我のリスクが高まる(手首・肘への負担)
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他の技術を学ぶ際にも土台がグラグラになる
この記事の著者
私はテニスコーチ歴18年、年間1500回以上のレッスンを行っています。
自分に本当に合ったフォアハンドグリップってのは、見つけるまでに時間がかかると思います。
この記事でそのとっかかりとなるヒントが得られればうれしいです。
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大別するとフォアハンドグリップの種類は3つ
テニスにおける「フォアハンドグリップ」は、ラケットの握り方のこと。
大きく分けて3種類のグリップに分類することができます。
グリップ名 | スピン量 | 打点の高さ | 安定性 | 対応力 |
---|---|---|---|---|
イースタン | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
セミウェスタン | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
ウェスタン | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
※スピン量、打点の高さ、安定性、対応力を★5段階で比較しています。
それぞれにメリット・デメリットがあり、どれが「正解」ではなく、自分に合ったグリップを選ぶことが上達のカギです。
1. フォアハンドイースタングリップ
特徴
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ラケット面を自然にボールに向けやすい
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平行な打点が取りやすく、フラット系ショットに向いている
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グリップ位置:ラケットの面に手のひらを「握手」するようにあててそのまま握る
メリット
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初心者でもボールがまっすぐ飛びやすい
-
ネットプレーやスライスなど他のショットにも対応しやすい
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サーブ・ボレーへの移行がスムーズ
デメリット
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強烈なスピンをかけにくい
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高い打点への対応が少し難しい
向いている人
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テニスを始めたばかりの人
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ラリーを安定させたい人
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試合でミスを減らしたい人
2. フォアハンドセミウェスタングリップ
特徴
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ラケット面がイースタングリップに比べると少し下向きになる
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強いトップスピンをかけやすく、現代テニスの主流
メリット
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高い打点に強い
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スピンで相手のミスを誘える
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攻撃的なラリー展開が可能
デメリット
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握りにやや慣れが必要
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ネットプレーや低いボールがやや難しくなる
向いている人
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基本的なラリーが安定してきた人
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スピンを使った攻撃的なプレーをしたい人
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より実戦向けのフォアハンドを目指す人
3. フォアハンドウェスタングリップ
特徴
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ラケット面がセミウエスタングリップと比べてもかなり下向きになる
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スピン特化型で、特にクレーコートやハードコートのような跳ねるコートに強い
メリット
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とにかく強烈なスピンをかけられる
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高いバウンドにも強い
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相手を下げさせる深いボールを打ちやすい
デメリット
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習得に時間がかかる
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低いボールやボレーには非常に不向き
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腕や手首への負担が大きい
向いている人
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ジュニアやプロ志向の選手
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クレーコートでのプレーが多い人
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フィジカルに自信があり、強烈なスピンを武器にしたい人
初心者がフォアハンドで覚えるべきは「イースタングリップ」
フォアハンドを安定させたい初心者には、「イースタングリップ」がおすすめです。
初心者がまず身につけるべきは、「ラリーを続けられる技術」です。
イースタングリップは、バウンドしたボールの高さに対してスムーズに対応できるので、打ち損じや空振りが激減し、結果としてラリーが長く続きます。
これが、初心者がテニスを「楽しい!」と感じられる一番のカギになります。
また、薄すぎず、厚すぎずの中間的なポジションなので、基本のフラットショットはもちろん、徐々にトップスピンにも移行しやすいのです。
自然な感覚で握れ、フラット・スピン両方の打球が打ちやすく、どのコート面でも適応しやすいからです。
イースタングリップは最も自然に握れるグリップ
初心者には、スイングの再現性が高く、シンプルにフォームを身につけられる「イースタングリップ」がベストです。
イースタングリップは、ラケット面を地面に垂直に立てて、地面に置いたままそのまま握ると自然にできる握り方です。
手のひら感覚で握れるため、違和感がなく、身体に馴染みやすいという特徴があります。
ボールの高さに柔軟に対応できる
イースタングリップの大きな強みは、「どの高さのボールにも対応しやすい」という点にあります。
お腹の高さの“打ちごろゾーン”に強い
イースタングリップは、この「中間の高さ」で非常に打ちやすい角度が自然にできるため、フォームを大きく崩さずにボールをしっかり打ち返すことができます。
低いボールにもスムーズに対応
低く弾まないスライスや、相手の打ち損じなどに対しても、グリップが厚すぎないため、ラケット面を水平やや下向きに調整しやすく、きれいに当てることができます。
特に、セミウェスタンやウエスタンと違い、低いボールでムリに腰を落とさなくても打てるのは初心者にとって大きなメリットです。
高めのボールでも対応可能
高く跳ねたボールへの対応力は、ウエスタングリップにやや劣りますが、イースタングリップでも肩の高さくらいまでなら十分に対応可能です。
スイングの軌道を少し上から下へ、またはレベルスイング気味に意識すれば、フラット〜軽いスピンをかけて打つこともできます。
フォアハンドグリップの握り方を段階別に習得
正しいフォアハンドグリップを理解しても、実際に身につけるには繰り返しの実践と確認が欠かせません。
特に初心者のうちは、グリップがすぐにズレたり、無意識に元の癖に戻ってしまうことが多いため、段階的な練習が大切です。
ショット前とショット後のグリップを確認
習慣づけのために、球出し練習やラリーの前に毎回グリップをチェックするクセをつけましょう。
初心者ほど、グリップが動いてしまってる場合があります。
具体的な方法
-
グリップを確認してからスイングに入る
-
コーチや仲間に握りを見てもらう
- 実際に打った後の握りを確認してみる
ポイント:
-
インパクトの瞬間にグリップを握る意識をする
“感覚づくり”トレーニング
グリップの安定性を高めるために、感覚のトレーニングも有効です。
練習方法(壁打ち or パートナーと)
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イースタングリップでラケットを持つ
-
軽くボールを転がす or 弾ませて打つ
-
同じスイングを10〜20回繰り返す
📌 目的:
-
グリップを変えずに連続して打てるかを確認する
-
ボールの飛び方でグリップの安定感を体感する
-
打点がズレていないか、感覚をチェックする
試合形式でも確認する
試合中は意識が散漫になり、無意識に握りが崩れることも。
だからこそ、ポイント間などで「確認するクセ」をつけることが大切です。
例えば・・
ボールが浮いた=普段よりもグリップが薄すぎた?
ネットした=打点が低すぎた or普段よりもグリップが厚すぎた?
フォアハンドのグリップのあるあるミス
フォアハンドグリップを練習するうえで、気をつけておきたいポイントと、初心者がよく陥りがちな失敗例を紹介します。
間違ったまま覚えてしまうと、スイング全体のクセになってしまうこともあるため、早めの修正が重要です。
グリップを強く握りすぎる
初心者に最も多いのが、「ギュッと握りつづけてしまう」ケースです。
-
手首や肘が固まり、スイングが窮屈になる
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力が入りすぎてボールが飛ばない or フレームショットに
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ラケットのしなりが使えない
指の根元で支えるように「軽めの握り」を意識してみたり、「グリップは握るものではなく、包み込むもの」とイメージするといいです。
グリップを持つ位置が安定してない
毎回のスイングでグリップがズレている人も少なくありません。
-
打点が安定しない
-
同じフォームで打っているつもりでも軌道がバラバラ
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手のひらにマメや痛みができる
さきほどと同じですが、毎回打つ前にグリップを確認するクセをつけましょう。
また、グリップに目印(シールやテープ)を貼っておくのもおすすめです。
無理に厚いグリップに変えてしまう
ネットや動画を見て「セミウェスタンがいい」と聞き、無理に厚い握りに変えてしまうことがありますね。
-
ラケット面の感覚が変わる為、修正するまでに時間がかかる
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打点の位置が変わるため、タイミングが合わなくなる
-
本来の“自分に合ったフォーム”を見失うことも
→ まずは基本の「イースタングリップ」で安定感を身につける
→ グリップ変更は、フォームが安定してから段階的に行う
打ち終わったあと、グリップが緩む
打ち終えたあと、無意識にグリップがズレたり、緩んだまま次のショットに入ってしまうケースもあります。
-
手の中でラケットが動く=コントロール不能になる
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振り遅れ、打点ミス、ミスヒットの原因に
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手首のケガやラケットの落下につながる
→ フォロースルー後にもグリップが安定しているかチェック
→ 打ち終わりの姿勢まで「意識を保つ」練習をしよう
チェックポイント | 内容 |
---|---|
握りの位置がズレていないか | 毎回同じ感覚で握れているか確認 |
手首が固まっていないか | リラックスした状態を保てているか |
指の力加減は適切か | ギュッと握らず軽く支えているか |
フォロースルー後の握りは? | グリップがズレていないか確認 |
コントロールできているか | 思った通りの方向に飛ばせているか |
フォアハンドのグリップに関連して覚えておくといい知識
調子が悪いならグリップテープを変えてみる
グリップテープを変えるだけで、フォアハンドの感覚や打ちやすさが大きく変わることがあったります。
滑りにくさ(グリップ力)が良くなる
テニス中は汗でグリップが滑りやすくなります。
グリップテープが古くなっていたり、吸汗性のない素材を使っていると、ラケットが手の中で微妙にズレてしまい、インパクトの瞬間に力がうまく伝わらなくなります。
→ 結果:打点がずれたり、面がぶれてミスにつながる。
クッション性がよくなり衝撃が減る
グリップテープには厚いタイプと薄いタイプがあります。
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厚めのテープ:クッション性が高く、手への衝撃を和らげる。柔らかく包み込むような握り心地。
-
薄めのテープ:ラケットのグリップそのものに近い感触で、繊細な操作感が得られる。
→ 自分に合った厚さにすることで、「しっくりくる」握りが見つかる。
手汗等で滑らなくなる
-
タオル素材やドライ系:汗に強く滑りにくいが、やや手触りがざらつく。
-
ウェット系:しっとりした感触で手に吸い付くが、汗が多いと滑りやすいことも。
→ フォアハンドのスイングにおいて、グリップの安定感=面の安定感に直結します。
グリップテープは定期的に交換すべし
-
「ラケットの握りがズレてる気がする」
→ ⇒ 吸汗性・滑り止めの強いグリップテープを選ぶべし! -
「フォアの時、打点がぶれることが多い」
→ ⇒ しっかり握れて衝撃を吸収する厚めテープを試してみよう! -
「打ったときの衝撃が手に響いてつらい」
→ ⇒ クッション性のあるテープに交換してみると手の疲れが減る! -
グリップテープは定期的に交換することが大切(目安:週1〜2回テニスする人なら1〜2ヶ月に1回)
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一度使って「しっくりきた」テープは、同じものを継続して使うと感覚が安定します
-
色やメーカーによっても微妙な差があるので、最初は何種類か試して、自分に合う感触を探すのがおすすめです
テニスの技術はフォームや筋力だけではなく、道具の「フィーリング」も重要な要素です。
フォアハンドの調子が悪いと感じたら、まずはグリップテープを張り替えてみる。
たったそれだけで、振り抜きやすさや打球感が大きく変わり、プレーも良くなると思います。
初心者が最初に覚えるべきフォアハンドグリップとは?:まとめ
フォアハンドの第一歩は「正しい握り」からです。
グリップは、フォームや打点、スピン量やスピードすらも左右する、まさに「テニスの出発点」です。
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正しいグリップを知ること
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自分に合った握りを見つけること
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ミスや違和感に気づける感覚を養うこと
この3つを意識するだけで、フォアハンドの安定感は劇的に変わります。
「グリップなんて簡単だ」と思わずに、ぜひ丁寧に向き合ってみてください。
その先にあるのは、「打ちたい方向に気持ちよく打てる」という最高の感覚です。
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